大判例

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東京地方裁判所 昭和30年(ワ)6896号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と判断〕原告の所有地は土地台帳登載面積は百三十四坪七合九勺であつたが実測面積は四百五十一坪五であつた。被告は麻布第一復興土地区画整理組合の創設以来解散までその組合長であつた。原告所有の本件土地は特別都市計画法に基く区画整理の対象となつたが、かように実測面積が公簿面積に数倍する場合とは実測面積を基準とすべきこと当然であるに拘らず被告は近隣に居住していたから公簿面積で本件土地に対する区画整理事業を施行するときは実測面積から公簿面積を控除した土地所有権が何等補償せられることなく消滅すべきことを認識していたに拘らず前記組合の組合長として「原告所有の本件土地は金銭を以つて清算し換地を交付しない。その清算は土地台帳登載坪数一坪につき金千六十七円の割合で計算し実測面積によらない。」旨の議案を作成提出し、右組合は即日議案通り決議した結果、原告は三百十六坪七合一勺の私道地所有権を喪失するに至つた。原告は右事実を基礎とし被告に対し不法行為による損害賠償を求めた。

判決は、原告の主張は右組合の組合長であつた被告の職務執行行為を理由とするものであるから被告個人には損害賠償義務はないとして原告の主張を排斥した。曰く。

「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員の職務行為に基く損害については国家賠償法第一条により国又は公共団体がこれを賠償する責に任じ、職務の執行に当つた公務員は個人として被害者に対し賠償責任を負担しないものと解すべきである(最高裁判所昭和三十年四月十九日判決、民集九巻五号五三四頁参照)から国家賠償法に基き右訴外組合に対して損害の賠償を求めるならば格別、右組合長にすぎなかつた被告個人に対しこれが賠償を請求することは許されない。」

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